「近隣トラブル」「築古」「旧耐震」「連棟式」「ゴミ屋敷」「ボロ戸建」の買取事例

【対象物件】

立地:東京都大田区

建物種別:連棟式一戸建

築60年の連棟式一戸建の真ん中部分の買取依頼

今回ご紹介するのは、大田区中央にある、いわゆる「連棟式建物」の買取事例です。

対象となった建物は、新築後約60年が経過した一戸建でした。
昔、複数の建物が同時に建てられたもので、外観上は建物同士がつながっている状態でした。

ただし、室内は隣家と一体になっているわけではありません。境界線上に壁があり、それぞれの住戸は分断されていました。

当社にご相談いただいたのは、3棟が連棟している建物のうち、真ん中に位置する住戸の買取依頼でした。連棟式建物は、通常の一戸建とは異なり、売却や解体、再建築の判断が難しいため、買い手に敬遠されやすい不動産です。
さらに、この建物は室内に大量の荷物や残置物が残された、いわゆるゴミ屋敷でもありました。建物内部の状態確認も難しく、通常の内覧では建物の傷み具合やリフォーム範囲を正確に把握しにくい状況です。

連棟式からゴミ屋敷状態という、敬遠されやすい要素が揃った建物のため、一般のお客様や不動産会社では扱いにくく、売主様も売却先を探すことに不安を感じているご様子でした。

連棟式建物は解体・再建築の判断が難しい

連棟式建物の場合、大きく分けると選択肢は2つあります。

1つ目は、現況の建物をリフォームして、賃貸物件などとして長期保有する方法です。
2つ目は、隣地建物と切り離したうえで建物を解体し、新たな建物を建築する方法です。

今回の建物は、築後約60年が経過していました。
建物の老朽化が進んでおり、さらに室内には大量の残置物が残されていたため、現況のままリフォームして長期保有するには、かなり大がかりな工事が必要になると考えられました。

また、ゴミ屋敷状態の建物は、単に荷物を撤去すれば終わりというわけではありません。
床や壁の傷み、臭気、設備の劣化、害虫の発生、清掃費用や撤去費用など、実際に片付けてみないと分からないリスクがあります。

そのため、当社としては、できれば現在の建物を解体したうえで、新しく一戸建を建築したいと考えました。

この場合に新築する建物は、これまでのような連棟式ではなく、通常どおり敷地内に単独で建つ一戸建です。

しかし、連棟式建物を一部だけ解体する場合、隣地建物への影響を避けることはできません。
建物の切り離し工事や補修、安全確認などが必要になるため、隣地所有者との協議や承諾が重要になります。本人の意向だけでの建て替えができず、隣地者との調整が必要になってしまうのが、連棟式建物の弱点です。

そこで当社は、売主様に対し、買取前に両隣から建物切り離しの承諾が得られるのであれば、当初想定していた価格で買取できるとご提案しました。

隣地承諾前提ではなく、リスクを見込んで買取

しかし、売主様からは、当社買取前に隣地へ建替えの承諾を取りに行くことは避けたいとのお話がありました。

もし両隣から建物切り離しを拒否された場合、その後の売却自体が難しくなる可能性があります。また、売主様は隣地との関係が良好ではないこともあり、買取前に隣地へ話を出すことに強い不安を感じていました。

そのため、売主様からは、「隣地との交渉は、売買完了後に買主側で行ってほしい」とのご要望がありました。

当社としては、隣地承諾が得られるか分からない状態で買い取ることになるため、事業リスクは高くなります。

仮に承諾が得られなければ、建物を解体して新築する計画は進められません。
その場合は、老朽化した連棟式建物を大規模にリフォームして事業化する必要があります。

さらに今回は、室内がゴミ屋敷状態であったため、残置物撤去費用や清掃費用、リフォーム費用が通常よりも大きくなる可能性がありました。
そのため、建替えができない場合でも本当に事業化できるか、当社内で慎重に検討しました。

工事の難易度は非常に高くなるものの、リフォームによる再生も一応可能と判断しました。

そのうえで、当初提示していた価格よりも20%以上低い金額にはなりましたが、隣地承諾がない状態でも買取できる価格をご提示しました。

売主様からは、「現況のまま付帯条件なく買い取ってもらえるならありがたい」とのお返事をいただき、当社が直接買取を行いました。

隣地も買い取ることができ、木造アパートを新築

買取後、当社はすぐに両隣のお宅へご挨拶に伺いました。

連棟式建物であること、建物の老朽化が進んでいること、室内に大量の残置物があること、今後安全に建物を解体して土地を有効活用したいことを、ていねいにご説明しました。

その結果、左隣の方からは、建物切り離しについて承諾をいただくことができました。

一方、右隣の方からは、「この機会に自分の家も売りたいので、買い取ってほしい」とのご相談をいただきました。

そこで当社は、右隣の建物についても買取を行いました。

結果として、当社の買取は、両隣の方の歓迎を受け、当社は連棟式建物2軒分を取得することができました。
その後、既存建物内の残置物整理や解体準備を進め、建物を解体しました。

そして、3階建6戸の単身者向け木造アパートを新築しました。現在は、当社が賃貸物件として長期保有しています。

今回の事例は、連棟式建物という難易度の高い不動産に加え、ゴミ屋敷状態という問題も重なっていた物件について、買取後に隣地交渉を行い、最終的に土地活用まで実現できた事例です。

当社が買取できたポイントは、主に以下の3点です。

1つ目は、建替えだけでなく、リフォームによる再生も含めて、臨機応変な事業対応を検討できることです。

2つ目は、連棟式建物や老朽化建物、残置物が多い建物の取扱いに関するノウハウがあり、難易度の高い物件でもリスクを判断できたことです。

3つ目は、金融機関の融資に頼らず、自己資金で買取できるため、一般的な融資対象になりにくい不動産でも対応できたことです。

宅建士の専門家コメント

連棟式建物は、通常の一戸建に比べて売却の難易度が高い不動産です。

特に、建物が隣地建物とつながっている場合、一部だけを解体するには、隣地建物への影響を十分に確認する必要があります。
切り離し工事、補修工事、構造上の安全性、近隣への説明など、通常の解体工事よりも慎重な対応が求められます。

さらに、室内がゴミ屋敷状態になっている場合、売却のハードルは一段と高くなります。

大量の残置物があると、建物内部の状態を確認しづらくなります。
また、撤去費用、清掃費用、臭気対策、害虫対策、設備交換、内装リフォームなど、購入後に必要となる費用が読みづらくなります。

そのため、一般の買主や金融機関から見ると、リスクの高い不動産として判断されやすくなります。

今回のように、連棟式建物であることに加え、築年数の古さ、隣地承諾の不確実性、ゴミ屋敷状態という複数の問題が重なっている場合、通常の売却では買主が限られてしまいます

重要なのは、
「建物切り離しに隣地の協力が得られるか」
「切り離せない場合でも事業化できるか」
「残置物撤去や清掃にどの程度の費用がかかるか」
「隣地交渉をどのように進めるか」
を総合的に判断することです。

当社では、連棟式建物や再建築・解体に課題のある不動産、残置物が多い不動産についても、自己資金による直接買取を行っています。
建替え、リフォーム、賃貸保有など、複数の選択肢を検討できるため、一般的な買主では扱いにくい不動産でも買取できる場合があります。

「隣家と建物がつながっていて売りにくい」
「室内に荷物が多すぎて片付けられない」
「古すぎてリフォームできるか分からない」
「隣地との交渉が不安」
「金融機関の融資がつきにくいと言われた」

このような連棟式建物でも、現況のままでの買取対応が可能です。ぜひお気軽にご相談ください。

 

ホームワーク株式会社

課長 宅地建物取引士 新井智也

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